『湯煙りの密室』
中町信
解説・山前譲
本書は1992年に小社より刊行されました。
1995年7月15日 第1刷発行
講談社文庫

ニセの大学合格通知で人生を狂わされた受験生が、温泉地・指宿で殺された。人の出入りの途絶えた露天風呂から消えた犯人とおぼしき人物はどこへ行ったのか?事件の真相を探る受験生の姉に、真実を告げようとした友人も殺害される。事件の謎は深まるばかり。文体トリックの名手が読者に仕掛けた罠とは。
一読した後、後味が悪い作品であった。
特に、殺害されたふたりの浪人生のとった行動には吐き気がする。
殺されたのも仕方がないか……くらいのレベルで酷い。
まぁ、それはそれとして、本書はきちんと推理が出来る作品に仕上がっている。やたらと人が殺されるから、段々と容疑者も絞られる。
少々特殊な知識が必要とされるが、まぁ、許容範囲内である。後でプロローグの意味が明らかになる構成も上手い。