『チョウセンアサガオの咲く夏』
解説・吉田大助
角川文庫
本書は、2022年4月に小社より刊行された単行本を加筆修正のうえ、文庫化したものです。
令和6年4月25日 初版発行
米崎地検の検事・佐方貞人の事務官を務める増田陽二。高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会した増田は、マネージャーだった木戸と3人でその夜旧交を温める。増田にとって、伊達は柔道をやめずに済んだ恩人であり、ヒーローだった。だが、大阪で警察官になったという伊達には、ある秘密があった……(「ヒーロー」)。「佐方貞人」シリーズスピンオフ作品をはじめ多ジャンル作を集めた、著者初のオムニバス短編集。
詳しくは、解説に描かれている通り。特に付け加えることもない。
第1編から第10編までのアーリーワークスは、「ミステリー(どんでん返し)」「人間ドラマ」「プロ仕事」の3つのタイプに分けられる。(解説から抜粋)
個人的には、「人間ドラマ」に痺れた。
特に盲目の瞽女を描いた「泣き虫の鈴」「影にそう」は秀逸。
あと個人的なお勧めは「サクラ・サクラ」「お薬増やしておきますね」かな。
「どんでん返しの女王」としての筆者しか知らない読者にこそ読んで貰いたい。