rirasoujiken’s blog

このブログは、鬱病(離人症、乖離。自立支援、手帳3級)である管理人が主にミステリーの読書感想文をアップします。何卒、ご笑覧下さいm(_ _)m

読了しました。

『少年籠城』

櫛木理宇

集英社

単行本

四六ソフトカバー

〈初出〉「小説すばる」2021年9月号~2022年8月号

2023年5月15日 第1刷発行


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地方の温泉街の河原で、子供の惨殺遺体が発見された。警察は、小児わいせつ事件を繰り返していた15歳の少年・当真への疑いを強める。逃亡中の当真は警官の健寿を強奪し、子分とともに子ども食堂に立てこもった。自分は無実で、人質を殺されたくなければ、警察は真犯人を捕まえろという。子ども食堂の店主・司は、人質の少年少女を守るために戦うことを誓うが__。

当真は本当に無実なのか。他に殺人者はいるのか。更に新たな遺体が発見され、暴走する当真は引き金に指をかける__

誰もが予測できない結末が待つ、衝撃のサスペンスミステリ。

 

本書の背景には、未だ残る貧困街が深く関わっている。

親や子供がすぐに行方をくらますことが暗黙の了解になっている萎びた温泉街に住む貧困な子供たち。その子供たちに店の手伝いを条件に飯を食わせる、子ども食堂の店主である

司。司ね父親の代から続く子ども食堂内でおこる籠城事件。

高まる緊張感とサスペンス。

その中で、次々と起こなわれる警察官たちの懸命な捜査。その果てに現れる真実とは?

一気読み必至の問題作。