rirasoujiken’s blog

このブログは、鬱病(離人症、乖離。自立支援、手帳3級)である管理人が主にミステリーの読書感想文をアップします。何卒、ご笑覧下さいm(_ _)m

読了しました。

『影踏亭の怪談』

大島清昭

解説・朝宮運河

第17回 ミステリーズ!新人賞受賞作ほか4編

本書は2021年、小社より刊行された作品の文庫化です。

2023年6月16日 初版


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僕の姉は怪談作家だ。本名にちなんだ「呻木叫子」というふざけた筆名で、民俗学の知見を生かしたルポ形式の作品を発表している。ある日、自宅で異様な姿となって昏睡する姉を発見した僕は、姉が霊現象を取材していた旅館〈K亭〉との関連を疑い調査に赴くが、深夜に奇妙な密室殺人が発生し__第17回ミステリーズ!新人賞受賞作ほか、常識を超えた恐怖と驚愕が横溢する全4編。

 

本書は、表題作の第17回ミステリーズ!新人賞受賞作ほか全4編を収録した作品集である。

「影踏亭の怪談」

「朧トンネルの怪談」

「ドロドロ坂の怪談」

「冷凍メロンの怪談」

基本的に、「他人の視点」のパートと「呻木叫子の原稿」と題したパートが繰り返し語られる形式となっている。

近年、ミステリーとホラーを融合した作品は数多く出版されているが、ここまできちんとした「本格ミステリ」を意識した作品は珍しい。ひとつの作品に必ず不可能興味のある謎を入れ込み、それを論理的に推理する律儀さである。また、それだけでは釈然としない部分が残されるのが怪談である。

怪談そのものを単に不思議な出来事とせず、その怪談が如何にして語り始めたのか?という拘りも楽しい。

とても読みやすい文体で、グイグイ惹き込まれるので、怪談初心者・ミステリー初心者にも容易に作品世界に浸れるであろう。