『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』
鴨崎暖炉
解説・瀧井朝世
2022年2月18日 第1刷発行
第20回『このミステリーがすごい!』大賞
文庫グランプリ受賞(『館と密室』金平糖)
を改題の上加筆修正
本作は、とても知気に富んだ作品である。
「密室の不在証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本を舞台にした、孤立したホテルで起こる「密室殺人」の数々。それをいとも簡単に解明する名探偵。そして犯人は?
文章も巧みでユーモアもあり、読みやすい。
唯一……おっと、そこはネタバレするので触れないでおく。
「密室の密室による密室の為の作品」
それが本作の本質である。