『公開処刑人 森のくまさん_お嬢さん、お逃げなさい_』
堀内公太郎
2014年7月18日 第1刷発行
本作は、『森のくまさん』シリーズの3作目になる。
法で裁ききれない悪人を殺す「森のくまさん」を描いたこのシリーズは、言わば「現代の必殺仕事人」である。
このシリーズの「肝」は、「悪人を殺すのは是か非か?」を読者に問い続けることにある。
「如何に悪人であろうとも、殺されたら悲しむ人がいる。」この考え方は至極真っ当なもの、法治国家に住む人々には。
しかし、本当に被害者はそのように考えられるのか?と常に問い続けている。
出来ることならば、自分で相手を殺したい。敵を取りたい……
そう考える人も少なからずいるだろう。
「森のくまさん」も、自分が正義の味方だとは思っていない。
本当に人を殺せるか?「そちら側の人間」になる覚悟はあるのか?そう突き付けられた時、迷わず答えられるのか?
本シリーズの特徴は他にも、必ずネットの書き込みが挟まれるということが挙げられる。ネットの海の中でのみ、つまり「匿名」でのみ無責任な意見、罵詈雑言を書き込むことが出来る人間が多数いる。
そういった背景を踏まえた上で、本作を読んで欲しい。