『奇岩館の殺人』
高野結史
『このミス』大賞シリーズ
2024年2月20日 第1刷発行
孤島に立ついびつな形状の洋館・奇岩館に連れてこられた日雇い労働者の青年・佐藤。到着後、ミステリーの古典になぞらえた猟奇殺人が次々と起こる。それは「探偵」役のために催された、実際に殺人が行われる推理ゲームだった。佐藤は自分が殺される前に「探偵」の正体を突き止め、ゲームを終わらせようと奔走するが……。密室、見立て殺人、クローズド・サークル__ミステリーの常識が覆る!
いきなり最初のページに「読書への挑戦状」が書かれていて、途中にも「読者への挑戦状」が書かれている。
しかし、本書は、その手法(技法)は面白いものの残念ながら大切な何かが欠落しているように感じられた。
様々なガジェットで装飾を凝らせてはいるが、如何せん何かが物足りない。
どうせここまでやるなら、もっと突き抜けた作品にも出来たはずだ。
私には「奇をてきらっただけの凡作」に思えた。